命あるものを食べる

生命あるものを食べましょう。
丸ごと食べる、生きている状態で食べる。言い換えれば、生きるための栄養を備えた状態まま食べるということです。それらは、私たちの命となっていくのです。

日本人の主食である米。今は皆、白米にして食べていますが、どうでしょう。玄米は水につけておけば発芽します。これは命があるということです。しかし白米は水につけておくとやがて腐ってしまいます。・・・命がないということです。
また、玄米は胚乳、胚芽、表皮からなっていますが、このうちの胚芽と表皮をそぎ落として胚乳だけにしたものが白米です。栄養の面でみれば、ビタミン、ミネラルなどは、胚芽と表皮の部分に95%も入っていて、胚乳には5%しかありません。

漢字というのは良くできているもので、「米」に「白」と書いて「粕(かす)」という字になります。一方「米」に健康の「康」と書いて「糠(ぬか)」という字になります。つまり玄米から栄養分をとりさったものが白米で、栄養にあふれているのが糠ということです。

労働厚生省が一日30品目以上食べましょうという指標を出していますが、これは白米を基準にしたものです。白米には、ビタミンやミネラルがほとんどありませんから、それを副食(おかず)で補う必要があるということです。

玄米はどうでしょう。

人間が生きていく上で最低限必要と言われる45種の栄養素のうち、なんと40種もの栄養素がバランス良く含まれています。ですから、主食を玄米にしたなら、目くじらをたてて、あれもこれもと食べる必要はないのです。

米のほかも命あるものを

命あるものを丸ごと食べる。もちろんこれは米だけの話ではありません。米以外の穀物も豆も芋類も同じです。
たとえば大根ですが、今スーパーに葉の部分が切り落とされたものが並んでいます。流通させるのに葉の部分があると邪魔なので切り落とされてしまうわけですが、実はその捨てられてしまう葉の部分には、ビタミンCが豊富にあります。

また、肉や牛乳や卵(無精卵)にしても、これは動物の一部を切り取った食べ物です。それよりも、動物性のタンパク質や脂肪なら、魚から摂ったほうがいいのです。しかも丸ごと食べられる小魚がベストです。

それから、食べ物というわけではないかもしれませんが、塩についても、少しふれておきます。現在広く食卓に出回っている塩は、精製されてNacl99.9%になった化学物質です。

確かに、精製すると、米にしても砂糖にしても見栄えはよくなりますが、その時点で生命は失われます。こと食べ物に関しては、白と名の付くものは体にはあまりいいとは言えません。白米、白パン、白砂糖は「三白の害(さんぱくのがい)」と言われているくらいですから。