コレステロールと聞くと、太りやすいとか、健康に良くないとか、

血液ドロドロなどの悪いイメージを抱くかもしれませんが、

コレステロールは体になくてはならないものです。

日本人はコレステロール値が高い人の方が、死亡率が低くなること

もわかっています。

ダイヤモンド・オンラインにて、参考になる記事が載っていました。

以下引用

ダイヤモンド・オンライン 岡田明子 [管理栄養士]より引用

コレステロールは悪者か
2014年から目標量の基準は撤廃

コレステロールと聞くと悪いイメージを持っている人が多いのではないでしょうか? しかし、コレステロールは私たちの体にとって大切なものなのです。

コレステロールは体内で合成できる脂質で、細胞やホルモンの材料になります。機能が正反対になっている2種類があり、LDLコレステロールは、肝臓から全身の細胞にコレステロールを運ぶ役割を担っています。それに対してHDLコレステロールは、余分なコレステロールを全身から集めて肝臓に戻す役割を担っています。

かつてはコレステロールの摂取基準(目標量)が定められていました。しかし、厚生労働省が2014年3月に発表した日本人の食事摂取基準(2015年版)から、コレステロールの摂取基準はなくなりました。食事から摂取されるコレステロールは、体内で作られるコレステロールの3分の1~7分の1ほどしか占めていないため、影響は少ないということが分かってきたからです。

ただ、いくら基準がなくなったとしても、「コレステロールを多く含む食品をどれだけ食べてもOK」ということではありません。体内でコレステロールが合成される量や使われる量は、個人差が大きいということを覚えておかなければなりません。遺伝的背景や代謝状態に影響されるからです。

つまり、コレステロールをどれくらい摂ればよいか? どれくらい抑えればよいか? は人それぞれと言えます。しかし、健康診断で「高コレステロール」と診断された人や遺伝的にコレステロールが高めの人は、心筋梗塞や脳梗塞などの病気にもつながりかねないので、摂取量に注意した方がよいでしょう。

注意の仕方は体型や年齢などの条件によって変わってきます。順にご説明していきます。

肥満・遺伝・更年期のタイプ別対策法
ただし75歳以上の人は摂ってOK

(1)太っている人

まず、体重がオーバーしている人は、体重を減らすだけでもLDLコレステロールの数値を下げることができます。まずは、体重を落とすことを目標にして食事習慣の改善や運動習慣を取り入れていくとよいでしょう。

食習慣では特に、揚げ物や油物の料理、脂が多い肉、バターやクリームなどの油脂を含むお菓子を控え、その代わりに赤身の肉、魚、食物繊維を多く含む食品を意識して摂ることがポイントです。

食物繊維は、余分なコレステロールの排出を促してくれます。野菜やきのこ、海藻、豆などの食物繊維を多く含む食品を毎食摂ることも意識していきましょう。毎食、副菜の小鉢や汁物を2皿食べることを目標にするとよいですね。

(2)更年期の人

次に、女性の場合、更年期からコレステロールが上がってしまったという人も多いかと思います。女性ホルモンの「エストロゲン」にはLDLコレステロールの増加を抑える働きがあるため、閉経後にコレステロールが高くなることが多いのです。このケースも食事の見直しをしていくことが大切です。

・3食以外に油脂の多いケーキやクッキーなどの間食を摂っていないか?
・クロワッサンやデニッシュ系のパンや菓子パン、クリームチーズのような油脂の多いチーズを摂り過ぎていないか?

このように、知らず知らずのうちに脂を摂り過ぎていることがあります。更年期は心身ともに大変な時期ですが、食習慣を改善するきっかけにしていきましょう。

(3)遺伝

若い頃から健康診断でコレステロールが高めに診断される人は遺伝的なものかもしれません。この場合は、食事や運動などの生活習慣の改善だけでは難しいので早めに病院を受診しましょう。

(4)高齢者

75歳以上の高齢の人は、コレステロールを多く含む食品を控えないようにしてください。コレステロールを多く含む食品は、タンパク質を多く含む動物性のものが多いため、控え過ぎるとタンパク質が不足しがちになり、低栄養になってしまうことがあります。

高齢の方は、コレステロール値を気にして食事制限するよりも、低栄養にならないようにすることの方が大切です。

コレステロールを多く含む食品には以下のようなものがあります。(1)~(3)に当てはまる人はこうした食品は控えるようにしましょう。

牛脂/ラード/バター/脂身の多い肉/ベーコン/サラミ/レバー/コンビーフ/卵/マヨネーズ/イカ/タコ/エビ/うなぎ/いくら/タラコ/クリームチーズ など

3択で傾向を知る
コレステロールクイズ

コレステロールが多い食事をもう少し詳しくお知らせするため、クイズ形式でご紹介します。

クイズ1:この中でコレステロールが一番多い丼ぶりは?

1.親子丼
2.うな丼
3.海鮮丼
答え
3.の海鮮丼です。いくらやウニなどの魚卵、イカ、タコ、エビが入っている海鮮丼は一番コレステロ―ルが多いメニューです。続いて、親子丼、うな丼の順番になります。

クイズ2:この中でコレステロールが一番多い鍋は?

1.おでん
2.豚キムチ鍋
3.もつ鍋
答え
1.のおでんです。ヘルシーな印象があるおでんですが、つみれやちくわなどの練り製品には意外とコレステロールが多く含まれています。また、卵、タコもコレステロールが多い食品です。おでんを食べる時は大根やこんにゃく、昆布など具材を選べばOKです。おでんに続いて、もつ鍋、豚キムチ鍋の順にコレステロールが多いメニューとなります。

クイズ3:この中でコレステロールが一番多い居酒屋メニューは?

1.鶏の唐揚げ(6個)
2.子持ちししゃも(5尾)
3.出し巻玉子(卵3個分)
答え
3.の出し巻玉子です。卵を3個も使用している出し巻玉子が一番コレステロールが多いメニューです。続いて子持ちししゃも、鶏の唐揚げの順になります。居酒屋では、野菜のメニューと組み合わせてみんなでシェアしながら自分のお皿に取り分けて食べるようにしましょう。

いかがでしょうか。コレステロールを多く含む食品の傾向が掴めてきたでしょうか。

食生活の影響を調べる
改善ポイントのまとめ

最後に復習にもなりますが、コレステロールが高めの人に向けた食習慣改善ポイントをまとめます。

・揚げ物の回数を減らす
・バターやクリームを多く含む間食を減らす
・油脂を多く使用している食品を減らす(クロワッサン、クリームチーズなど)
・脂身の多い肉を避ける
・バターや牛脂などの油の使用を減らす
・野菜、きのこ、海藻を毎食摂る

コレステロールの上昇が食事によって影響されるかどうかは個人差があるため、高めの人は上記のような食習慣改善に取り組んでみてください。改善前よりもコレステロール値が下がれば食事に影響されているということが分かると思います。ぜひ、次回の健康診断に向けて食習慣の見直しをしていきましょう。

(管理栄養士 岡田明子)