ストレスを漢方的に考えてみる①

■ほとんどのネガティブな感情は、「恐れ」という根を持つと言われています。この「恐れ」は、腎が蔵する感情です。腎と腎気の関係がアンバランスになったり、腎気と脾気の関係がアンバランスになったりすると、腎気が病的に興奮して、「恐れ」の感情が身体を 支配するようになります。

茯苓(ぶくりょう)を使って、腎の異常興奮を鎮めます。

■自分の中に湧き上がった感情を認められないときは、その感情を心の奥にしまいこんでしまうか、その感情を湧き上がらせたきっかけになっている相手を責めることで、自分の中にある「恐れ」を誤魔化してしまう方法が取られます。
つまり「怒り」の根っこには「恐れ」が隠れているということです。

「怒り」や「イライラ」は肝が蔵する感情です。肝臓が異常興奮すると、「怒りっぽく」なったり、ちょっとしたことで「イライラ」したりするようになりま す。柴胡(さいこ)などを使って、肝臓の興奮を和らげてあげる方法が採用されます。

■腎臓の「恐れ」、肝臓の「怒り」が交互に現れる場合には、二つの臓器の中間で両方のバランスを取っている脾臓(膵臓)や胃の働きが落ちている可能性が考えられます。ストレスによる異常な食欲亢進も、逆に食欲不振も、脾臓や胃に問題を抱えている場合が多いものです。

赤ちゃんの夜鳴きや疳の虫も、根本は消化を司るこれらの臓器の未発育(成長途上)が原因です。同じことは大人になっても現れます。脾臓や胃の気のエネルギーレベルが落ちてくると、精神的に不安定になってきます。一番誰もが経験するのは、お腹がすいた時のイライラです。一時的なもので、病的ではありませんが、これが慢性的に続くようになるのが、精神不安症状の始まりです。

大棗(たいそう)や朝鮮人参(ちょうせんにんじん)を使って脾気を高めます。

■自律神経のアンバランスは、肺や大腸の経絡に現れることも、しばしばあります。
のどの異物感や鼻水が前に出ないでのどに回ってしまう「後鼻漏(こうびろう)」などは、ストレスが肺の経絡(けいらく)に出たものですし、便秘・下痢・腹痛などは、ストレスが大腸に出た状態です。ストレスに冷えが加わっている場合が多いので、冷飲食を控えることが、まず何より大切です。

半夏(はんげ)や蘇葉(そよう)などを中心に、その方に合った生薬をみつけていく必要があります。

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