前回は頻尿の原因として、膀胱許容量の低下についてお話ししました。

 

今回はもう一つの原因である、尿量の増加についてです。

 

糖尿病などの内分泌疾患、水分の大量摂取、利尿剤などにより、尿量が増えることで頻尿が起こります。

一回当たりの尿量は正常(150~200ml以上)であるのに、何回もトイレに行きます。

 

日常生活では、水分の摂りすぎや、コーヒーや緑茶、ビールなどの利尿作用のある飲み物の摂りすぎに注意が必要です。

 

糖尿病では、血液中のブドウ糖が多くなりすぎると、ブドウ糖を大量の水分と一緒に排出するようになります。

 

体中の水分を使って糖を排出しようとするので、多尿になり、脱水状態を起こします。

 

脱水になると喉が渇きますので、それを改善するためにまた、大量に水分を摂取するようになります。

 

血糖値を上げ過ぎないためのコントロールが必要です。

 

また、加齢に伴い、脳下垂体から分泌される夜間の排尿を抑えるホルモン「抗利尿ホルモン」の分泌が悪くなると、夜間の尿量が増えます。

 

漢方では加齢などによる、腎臓、膀胱、生殖器、脳などの働きに関わる『腎』の「氣」の不足(エネルギー不足)「腎虚(じんきょ)」が挙げられます。

 

腎虚では、頻尿,おしっこが出にくいなどの排尿以上や排泄能力の異常、骨や歯の異常、耳の異常(聴力低下や耳鳴り)、髪の毛の異常(白髪や脱毛)腰痛、下半身の冷え、物わすれなどが起こりやすくなります。

 

代表的な、漢方処方は「六味丸(ろくみがん)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)「金匱腎気丸(きんきじんきがん)です。