漢方について

漢方について

漢方とは

漢方とは、中国で生まれた伝統的な医学です。自然界にある植物や動物、鉱物などの生薬を組み合わせて、人々の健康を維持・増進するものです。

漢方の考え方では、人間の体は「陰」と「陽」の二つのエネルギーによってバランスが保たれているとされています。このバランスが崩れると、さまざまな不調が現れると考えられています。

漢方では、このバランスを整えることで、不調を改善し、健康を維持・増進することを目的としています。

漢方の特徴

漢方の主な特徴は、次のとおりです。

  • 自然治癒力を高める
  • 体質改善を目的とする
  • 長期的な服用が効果的

漢方薬と西洋医薬の比較

漢方医薬西洋医薬
原材料と製法植物、動物、鉱物などの自然由来の原材料を用い、独特の製法に基づいて調合されます。複数の生薬を組み合わせ、配合することで、症状に合わせた処方が行われます。化学合成された成分や単一の有効成分を用いた製剤が一般的です。一般的に、特定の症状や疾患に対して特化した製品が開発されます。
療法の観点全体的なバランスを重視し、体の自然な治癒力を高めることを目指します。体の根本的な問題に働きかけることで、症状の改善や再発防止を目指します。症状や疾患の特定の原因やメカニズムに対して直接的に作用することが主眼です。特定の病原体や生理学的なプロセスに働きかけて、症状を緩和または治療します。
総合的なアプローチ体の状態を総合的に評価し、心身のバランスを整えることを目指します。症状だけでなく、体質や生活習慣、環境なども考慮して治療方針を立てます。症状や疾患に対して、特定の医薬品や治療法を選択し、それに従って治療を行います。症状の緩和や疾患の進行防止に焦点を当てます。
副作用と安全性通常、自然由来の原料を使用するため、副作用のリスクが比較的低いとされています。ただし、誤った使用や過剰摂取による副作用の可能性もあります。化学合成された成分を使用するため、副作用のリスクが高い場合があります。処方箋医薬品は、慎重に使用する必要があります。

漢方薬と西洋医薬は、治療アプローチや製品の性質、安全性などで異なるアプローチを取っています。

漢方は、自然界にある生薬を使用することで、体に優しく、副作用が少ないことが特徴です。

また、体質改善を目的としているため、症状を抑えるだけでなく、根本的な原因を改善する効果が期待できます。

さらに、長期的な服用で効果を発揮することが多いため、慢性的な症状にも適しています。

漢方の種類

漢方には、さまざまな種類の薬があります。

  • 煎じ薬
    生薬を水で煮出して作る薬
  • エキス剤
    生薬を抽出して作った薬
  • 顆粒剤
    生薬を粉末にして顆粒状にした薬
  • 錠剤
    生薬を粉末にして錠剤状にした薬


煎じ薬
は、漢方薬の原点ともいえる薬です。生薬の成分をそのまま摂取できるため、効果が高いのが特徴です。ただし、自分で調理する必要があり、手間がかかるのがデメリットです。

エキス剤は、生薬を抽出して作った薬です。煎じ薬に比べて手軽に摂取できるのが特徴です。ただし、生薬の成分が一部失われているため、煎じ薬に比べると効果が劣る場合があります。

顆粒剤錠剤は、生薬を粉末にして顆粒状や錠剤状にした薬です。手軽に摂取できるのが特徴です。ただし、エキス剤と同様に、生薬の成分が一部失われているため、煎じ薬やエキス剤に比べると効果が劣る場合があります。

漢方の服用方法

漢方の服用方法は、薬の種類によって異なります。

  • 煎じ薬
    1日1~3回、1~2服を食前または食後に服用する
  • エキス剤
    1日1~3回、1~2包を食前または食後に服用する
  • 顆粒剤
    1日1~3回、1~2gを食前または食後に服用する
  • 錠剤
    1日1~3回、1~2錠を食前または食後に服用する

また、漢方は、一般的に1~2週間程度服用して効果をみることが大切です。効果がみられない場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

漢方の注意点

漢方の服用には、次の点に注意が必要です。

  • 妊娠中や授乳中の女性は、医師の指示に従って服用する
  • 高齢者や小児は、医師の指示に従って服用する
  • 他の薬を服用している場合は、医師や薬剤師に相談する

漢方は、さまざまな症状に効果が期待できる、優れた医療です。しかし、自己判断で服用すると、思わぬ副作用が出る可能性があります。そのため、漢方薬を服用する際には、必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

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