漢方で見る体質チェック

 漢方で見る体質チェック

中医学で体質タイプチェックをしてみましょう

体質は症状から判定できます。合計点数が高いところがあなたの体質です。
(体質は1つのタイプとは限りません。複合タイプもあります。)

*「漢方で見る体質チェック」は、マガジンハウス発行クロワッサン672号付録の小冊子より抜粋し、弊社が修正加筆したものです。

気虚体質点数
No.1疲れやすい5点
No.2かぜをひきやすい5点
No.3良く息切れがする5点
No.4冷え性4点
No.5胃もたれしやすい4点
No.6軟便、下痢をしやすい4点
No.7頻尿、夜間尿4点
No.8舌は色が淡く大きく腫れて、縁に歯の形が見える5点
血虚体質点数
No.1顔色が白く、つやがない5点
No.2めまいや立ちくらみがする5点
No.3動悸、不眠、夢が多い4点
No.4抜け毛や白髪が多い4点
No.5かすみ目、疲れ目がある4点
No.6皮膚がカサカサする4点
No.7手足がしびれる、またはこむら返りが起こりやすい5点
No.8舌は色が淡く小さい5点
陰虚体質点数
No.1のぼせ、ほてりがする5点
No.2空咳が続く4点
No.3目が乾きやすい4点
No.4口やのどが渇き、冷たいものを欲しがる4点
No.5耳鳴りがする5点
No.6便が硬い、またはコロコロして出にくい4点
No.7寝汗をよくかく5点
No.8舌は色が赤くて表面に裂け目が多い、苔ががほとんどない5点
気滞体質点数
No.1不安や憂鬱、またはイライラ、怒りっぽい6点
No.2片頭痛がよく起こる4点
No.3のどに物が詰まったような不快感がある4点
No.4おなかが張り、ゲップやガスが多い5点
No.5下痢と便秘を交互に繰り返す4点
No.6生理の周期が不順、または生理の前に乳房や腹部が張る5点
No.7のぼせ、眠れない4点
No.8舌は両端が赤い、苔がある4点
瘀血体質点数
No.1顔や唇の色が暗い5点
No.2しみ、そばかすが多い3点
No.3慢性的な肩こりや頭痛がある4点
No.4よく不整脈がある、また胸が苦しい4点
No.5慢性的な関節痛4点
No.6生理痛がひどい、生理にレバーのような血塊が混じる5点
No.7下肢の静脈瘤が目立つ5点
No.8舌は色が紫っぽく、黒いシミのような斑点があるか舌下静脈が太い6点
痰湿体質点数
No.1肌が脂質で吹き出物ができやすい3点
No.2肥満、または水太り5点
No.3血中コレステロール値、中性脂肪値、または体脂肪率が高い5点
No.4体が重だるい5点
No.5めまいと吐き気がよくする3点
No.6痰が多い5点
No.7むくみやすい5点
No.8舌の表面にベトベトとした苔が多い5点

あなたの体質タイプは?

気虚タイプ・・・「気」を補いましょう

出やすい症状

体のエネルギー源である「気」は、「気」「血」「水」のり-ダー的役割。「気」が足りないと、疲労感や倦怠感、冷えが出やすい。ほかに、風邪をひきやすい、食欲不振、胃もたれ、軟便、下痢などの症状も。花粉症などのアレルギー症状も現れやすい。

舌の状態

全体的に淡い色。厚く、はれぼったい感じ。舌の縁に歯の跡が波打つようについていることがある。

対策

補気(気を補う)

代表方剤

星火健胃錠、補中益気湯、衛益顆粒、麦味参顆粒など。

おすすめの食材

牛肉、鶏肉、うなぎ、鶏卵、えび、もち米、山芋、かぼちゃ、玉ねぎ、にんにく、ねぎ、生姜、豆、納豆、きのこ、栗、りんご、ほうじ茶、紅茶など。

避けたり、ひかえたい食材

冷たいもの、生もの、脂っぽいもの、刺激の強い食材(唐辛子、わさびなど)。

血虚タイプ・・・「血」を補いましょう

出やすい症状

めまいや立ちくらみ、乾燥やかゆみなどの肌のトラブル、白髪や抜け毛などの髪のトラブル、生理不順、不妊症などの婦人科のトラブルも起こりやすい。ほかに、目の疲れ、手足のしびれ、不眠、息切れ。不整脈などの心臓疾患も現れやすくなる。

舌の状態

他の体質に比べて小さい。全体的に淡い色。舌の苔はうっすら。

対策

補血(血を補う)

代表方剤

婦宝当帰膠、帰脾錠、参茸補血丸、十全大補丸など。

おすすめの食材

豚肉、烏骨鶏(または地鶏)、うずら卵、黒米、黒豆などの黒色の食材。人参、トマト、なつめなどの赤色の食材、かき、ほうれん草などの補血食材。ほうじ茶、紅茶など。

避けたり、ひかえたい食材

冷たいもの、生もの、脂っぽいもの、甘いもの、辛いもの(唐辛子、わさびなど)を摂り過ぎない。

陰虚タイプ・・・潤いを与えましょう

出やすい症状

「水分」が不足している状態。体に潤いがなくなり、余計な熱が生じ、のぼせやすくなる。更年期は陰虚に傾きやすく、のぼせ、ほてり、めまい、耳鳴り、寝汗、生理不順などの更年期症状は、陰虚体質の症状とぴたり重なる。また、肌の乾燥、から咳、乾燥便、口乾、微熱などの乾燥症状もある。

舌の状態

全体的に赤い。舌の苔は少ない、またはほとんどない。舌の楓ハに裂紋(裂け目)があることも。

対策

補陰(陰分を補う)

代表方剤

六味丸、杞菊地黄丸、八仙丸、天王補心丹など。

おすすめの食材

豚肉、鴨肉、鶏肉、すっぽん、はまぐり、あわび、黒米、豆乳、豆腐、れんこん、きゅうり、トマト、ゆり根、ごま、白きくらげ、梨、ライチ、レモン、メロン、ミント茶、緑茶、菊花茶など。

避けたり、ひかえたい食材

香辛料、薬味野菜、冷たいもの。

気滞タイプ・・・「気」の流れをよくしましょう

出やすい症状

「気」の巡りが悪い状態。自律神経のコントロールがうまくいかず、精神的に不安定。イライラ、怒りっぽい、憂鬱、不安、落ち込みやすいなどの状態が出やすい。ほかに、胃やお腹や脇腹が張る、ガスやゲップが多い。高血庄などの症状、生理不順月経前症候群など。

舌の状態

両側が赤い。中央に白、または黄色の舌苔がある。

対策

行気(気を巡らせる)

代表方剤

開気丸、逍遙丸、半夏厚朴湯、シベリア人参茶(オリエンタルハーブ)など。 

おすすめの食材

香り野菜(セロリ、せり、三つ葉、ミントなど)、いか、あさり、しじみ、発芽玄米、ゆり根、苦うり、陳皮、クコの実、菊花、かんきつ類、ミント茶、ジャスミン茶、バラ茶、ラベンダー茶など。

避けたり、ひかえたい食材

味の濃いもの。イライラ、頭痛がある時は辛み、ガスやゲップの多い時は芋類、豆類。

瘀 血タイプ・・・「血」の巡りをよくしましょう

出やすい症状

「血」の巡りが悪いと、皮膚、開節、体の末端に栄養が運ばれず、新陳代謝が低下。顔、唇、歯茎の色が暗く、シミ、そばかすが多い。肩こり、関節痛、頭痛があり、子宮内膜症、子宮筋腫になりやすく、生理痛が重く、レバー状のかたまりが混じることも。

舌の状態

暗く紫っぽい色。黒いシミのような斑点があることも。舌裏の2本の静脈太く長く浮き出ることがある。

対策

活血(血行を促進)

代表方剤

冠元顆粒、血府逐?丸、田七人参茶(オリエンタルハーブ)、桂枝茯苓丸など。

おすすめの食材

いわし、さんまなどの青魚、どじょう、玄米、玉ねぎ、にんにく、らっきょう、にら、ねぎ、生姜、黒きくらげ、シナモン、サフラン、黒酢、紅花茶、バラ茶、、シナモン茶など。

避けたり、ひかえたい食材

脂肪、とくに肉の脂身、バター、甘いもの、塩辛いもの、味の濃いもの、冷たい飲み物、アイスなど。

痰湿タイプ・・・「水」のハケをよくしましょう

出やすい症状

新陳代謝が悪く、余分な水分が溜まりやすい。溜まった老廃物「痰湿」が外に出ようとするため、二キビ、吹き出物、痰、おりものが増える。肥満または水太り、だるさ、吐き気、めまい、むくみがある。高脂血症、糖尿病にもなりやすい。熱がこもるタイプと、体が冷えている寒タイプがある。

舌の状態

厚いベトベトした舌苔がある。熟タイプは黄色い舌苔、寒タイプは白い舌苔。

対策

利水(水分代謝をよくする)

代表方剤

星火健胃錠、勝湿顆粒、五苓散、苓桂朮甘湯、星火温胆湯、瀉火利湿顆粒などを水湿・痰湿および寒熱の違いにあわせて。

おすすめの食材

玄米、はと麦、海藻、きのこ、たけのこ、根菜(ごぼう、だいこんなど)、アスパラガス、かぼちゃ、こんにゃく、緑豆、さんざしなど。

避けたり、ひかえたい食材

肉類、卵黄、魚卵、脂っぽいもの、味の濃いもの、炭酸飲料、水分(とくに冷たい飲み物に注意)。