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汗をかくこの時期は、皮膚トラブルが起きやすい時期でもあります。
今回からそれぞれの皮膚トラブルと対処法をお伝えします。
〇あせも(汗疹)
高温多湿の状況で大量の汗をかいたりすることで起こることがあります。
私たちの身体には、エクリン汗腺(全身に分布して、汗を出し体温調節を行う)とアポクリン汗腺(わきの下や乳頭部、臍囲、外陰部などにい分布しており、かつてフェロモンを分泌していた)という2つの汗腺がありますが、あせもは、エクリン汗腺から延びる汗管の汗が外へ出切らず、汗の成分が汗腺周囲の組織に漏れ出ることによって起こります。
大量の汗をかき、そのままにした状態で汗に含まれる塩分やほこりなどで汗管がふさがってしまったり、大量の汗そのものが、汗腺につまってしまい、排出できなくなった汗が刺激となり水ぶくれや発疹などを起こします。
アトピーなど、皮膚バリア機能が低下している敏感肌の方は、少量の汗でもあせもができやすくなります
予防法は、汗をかいたらこまめにふいたり、着替えるなど、皮膚を清潔に保つことです。
治療法は、軽度なものであれば、患部を水で洗い流したり、こまめに汗を拭くなど清潔に保つことで自然に治ることがほとんどです。
かゆみが強い場合は、皮下に詰まった汗を吸い取ることが大事です。その役割を持っているのが、「酸化亜鉛」という成分です。
この「酸化亜鉛」が入っていて、さらに、かゆみ止めの入ったクリーム、患部を激しくかき壊し、炎症が進行して発赤し湿疹のようになってしまった場合は、副腎皮質ステロイドのはいったクリームなどで炎症を鎮めます。
あせもを掻き壊したときに、そこに黄色ブドウ球菌などの感染が起きると「あせものより」という化膿をともなった病態に変化することがあります。
この場合には、抗生物質とステロイドが両方入った軟膏・クリームを使います。シッカロールなどを厚く付けすぎると、この「あせものより」になりやすくなるので、薄付きにして使いましょう。
漢方では、夏場に起こりやすい皮膚炎やあせもには、「消風散」がおすすめです。
東洋医学では、かゆみが一か所にとどまらずに風のような速さで全身がかゆくなる病態を「風邪(ふうじゃ)」と言います。
消風散は、このような風邪を打ち消す漢方で、かゆみが強く、分泌物が多い夏場に悪化しやすい湿疹ややあせも、みずむしなどにおすすめの漢方です。
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