残暑の厳しい秋に起こる「肩こり」不調とその養生法お伝えします

暦の上では秋を迎えているのに、昼間は夏のような強い日差しが照りつけ、夜になると急に冷え込む――。

そんな「残暑の厳しい秋」に多くの人が悩まされる不調のひとつが「肩こり」です。

特にデスクワークやスマホ操作が増えている現代では、季節の影響が加わることで、肩や首のこわばり、頭痛、倦怠感まで引き起こしてしまうことがあります。

ここでは、秋特有の肩こりの原因と、具体的な養生方法について詳しくご紹介します。

目次

なぜ秋の残暑で肩こりが起こるのか?

1.寒暖差による自律神経の乱れ
昼は汗ばむほど暑いのに、朝晩は冷える。この寒暖差に体がついていけず、自律神経が乱れると血管の収縮がうまくいかず、首や肩の血流が滞ってしまいます。その結果、筋肉に疲労物質がたまり、肩こりやだるさを感じやすくなります。

2.冷えの影響
夏の間に冷房や冷たい飲み物で体を冷やした影響が残っていると、秋の冷え込みでさらに血流が悪化し、筋肉がこわばります。特に女性は冷えやすいため、肩こりが強く出やすい傾向があります。

3.夏の疲れの持ち越し
夏バテの影響で胃腸が弱っていると、栄養が十分に吸収されず、筋肉や神経の働きも低下します。その結果、肩こりや疲れがなかなか回復しません。

秋の肩こり対策 ― 養生の基本

肩こりのケアには「血流を促す」「体を冷やさない」「自律神経を整える」の3つが大切です。ここからは、具体的に自宅で実践できる方法をご紹介します。

温めて血流を促す
 ●入浴
 ・38~40℃のぬるめのお湯に15分ほど浸かる
 ・肩までしっかり浸かり、血行を全身で改善する
 ・入浴剤に生姜やよもぎ系の温め成分が入ったものを使うとより効果的
 ●蒸しタオルで温める
 ・タオルを水で濡らし、電子レンジで1分加熱
 ・首や肩に3?5分あてて筋肉をじんわり温める
 ・デスクワークの合間や就寝前に行うと肩が軽くなる

肩甲骨を動かすストレッチ
 〇肩回し運動
 ・両肩を耳に近づけるようにすくめ、後ろに大きく回す
 ・5回ゆっくり繰り返す
 ・血流改善と姿勢リセットに効果的


 〇肩甲骨はがしストレッチ
 ・両手を背中で組み、胸を張りながら腕を後ろに伸ばす
 ・そのまま深呼吸を3回
 ・猫背や長時間のPC作業で固まった背中をゆるめる

  • 食養生で内側から温める
     ●根菜類を意識的に摂る
     ・大根、人参、ごぼう、里芋などは胃腸を温め、血流改善に役立つ
     ・煮物や味噌汁で取り入れると消化にも良い
     ●生姜・にんにく・ねぎ
     ・体を温める代表的な食材
     ・生姜紅茶、にんにく入りスープ、ねぎたっぷりの味噌汁などで簡単に
      取り入れられる
     ●温かい飲み物を習慣に
     ・常温の水よりも、白湯やハーブティーをこまめに飲む
     ・胃腸の冷えを防ぎ、自律神経を安定させる
  • 自律神経を整える生活習慣
     ●睡眠のリズムを整える
     ・就寝・起床時間を毎日同じにする
     ・スマホの光を寝る前1時間は避け、副交感神経を優位にする
     ●呼吸法でリラックス
     ・「4秒で吸う → 7秒止める → 8秒で吐く」腹式呼吸を1日3回実践
     ・自律神経が整い、肩の緊張もほぐれる
     ●軽い運動習慣
     ・朝の散歩を15分
     ・軽く汗をかくことで体温調節機能が整い、寒暖差に強くなる

東洋医学から見た「秋の肩こり」

東洋医学では、肩こりを「気血の流れが滞った状態」ととらえます。秋は特に「肺」と関わりが深い季節で、肺の働きが弱ると気の巡りが悪くなり、肩や首の重さとなって現れます。さらに、夏に取り入れた冷たい飲食物は「冷え」として体に残り、それが「血の滞り(?血)」を生み、肩こりを悪化させます。

漢方で用いられる代表的な処方

葛根湯(かっこんとう)
・首や肩のこわばりをほぐし、血流を改善します
・初期の風邪による肩こりや頭痛にも効果的です

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・血の巡りを整え、冷えや貧血傾向のある女性の肩こりに有効です

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・血流を改善し、冷えのぼせや肩こり、生理痛などにも有効です

漢方処方は「体質と症状」に合わせて使うことが重要ですので、自己判断せず、漢方に詳しい薬剤師や登録販売者に相談しながら取り入れてみましょう。

最後に・・・・

残暑が長引く秋は、体にとって「暑さと冷えが交錯する負担の大きい季節」です。そのため、肩こりをはじめとする不調が出やすくなります。
日常のちょっとした習慣――お風呂に浸かる、肩を回す、根菜を食べる、呼吸を整える――を積み重ねることで、体は少しずつ軽くなり、心も安定してきます。

肩こりは単なる「筋肉の疲れ」ではなく、季節や生活習慣の乱れを映すサインでもあります。この秋は、自分の体と丁寧に向き合いながら、温める・動かす・整えるを意識して、健やかに過ごしていきましょう。

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