永寿屋 「漢方健康講座」

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【漢方健康講座】未病が始まる原因の1つが自律神経失調症。漢方では「気滞(きたい)」といいます。(中編)【 #漢方の永寿屋 】 100歳お達者講座 Vol.129 #長野市 #漢方 #不調 #未病

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「【漢方健康講座】未病が始まる原因の1つが自律神経失調症。漢方では「気滞(きたい)」といいます。(中編)【 #漢方の永寿屋 】 100歳お達者講座 Vol.129 #長野市 #漢方 #不調 #未病」

心と体の不調、いわゆる「未病(みびょう)」がどのように始まっていくのか、漢方(東洋医学)と現代医学(西洋医学)の両面から、わかりやすく紐解いていきましょう。日常で今すぐできる具体的なセルフケア方法もたくさんご紹介します!

目次

1. 自律神経(西洋医学)と気滞(漢方)の深い関係

「自律神経失調症」は西洋医学の言葉ですが、漢方医学ではエネルギーの滞りである「気滞(きたい)」という言葉で表されます。この二つは、表現は違えど同じ体の状態を指しています。

漢方医学的な見方:『肝(かん)』の役割

漢方において、気の滞り(エネルギーの交通渋滞)に最も直接的に関係するのが「肝(かん)」と呼ばれるグループです。これには現代医学の肝臓だけでなく、胆嚢、筋肉や筋、目なども含まれます。

  • 交感神経との深い関係:「肝」は自律神経の「交感神経」と深く関係しています。
  • 気の渋滞(気滞): ストレスや感情の抑制が慢性化すると、「肝」の持つ「気(エネルギー)を全身に巡らせる力」が低下し、エネルギーの交通渋滞(気滞)が起きてしまいます。
  • 感情への影響:「肝」の働きがうまくいかなくなると、感情のコントロールが難しくなり、すぐイライラしやすくなります。
  • 漢方での治療法(疏肝理気): 怒りのエネルギーが溜まってしまった「肝」を洗い流し、本来の仕事ができるように気を巡らせるお薬(加味逍遙散や柴胡加竜骨牡蛎湯など)を用いて、交通渋滞を緩和します。

西洋医学的な見方:交感神経の過剰活動と「背中側の副交感神経」

現代医学では、この状態を「交感神経の慢性的な活動過剰」と捉えます。これにより自律神経のバランスが崩れていくのですが、ここには非常に重要な仕組みがあります。

実は、副交感神経には「お腹側」「背中側」の2つのシステムが存在します。

  • お腹側の副交感神経: 交感神経との間で正常にキャッチボールができている状態。夜間にリラックスしたり、仕事の休憩時間にしっかり休むことができます。
  • 背中側の副交感神経: 交感神経を過剰に使いすぎると、こちらが働き始めます。これは、これ以上頑張ると命が危ないという時に働く、体全体の「シャットダウン(強制停止)」システムです。家庭の電気を使いすぎてブレーカーが落ちるのと同じ現象です。

この「ブレーカーが落ちる状態(背中側の副交感神経とのキャッチボール)」が始まってしまうと、精神的な病のほとんどの引き金になるほか、めまい、頭痛、朝起きられないといった様々な不調症状が現れるようになります。

細胞が実際に壊れていない(数値に出ない)この段階こそが、まさに「未病」の典型的な状態なのです。

2. 不眠・不安・動悸が起こる根本原因

気の滞りが慢性化すると、具体的にどのような症状へ繋がっていくのでしょうか。

① 不眠の根本原因(漢方的な睡眠理論)

ストレスによって「肝」に怒りや不安が蓄積すると、以下の連鎖で不眠が始まります。

  1. 肝の疏泄(そせつ)機能の低下: 気を流す力が落ち、全身の気の流れが停滞します。
  2. 『心(しん)』への波及: 漢方で「心」は、脳の働きや精神活動を司る司令塔です。肝の滞りが「心」に影響すると、精神的な混乱(心神不安)が起こります。
  3. 睡眠障害の発症: その結果、「夜眠れない」「途中で目が覚める」「悪夢を何度も見る」「一度起きると寝付けない」といった症状が起こります。

漢方では、睡眠を「陰(いん)」と「陽(よう)」の時間バランス(現代でいうレム睡眠・ノンレム睡眠のようなもの)で捉えます。昼は外で活動し、夜は休息するという陰陽のリズムが崩れることが、不眠の根本原因です。

② 不安・イライラ・動悸と「気逆(きぎゃく)」

本来、人間の体のエネルギーは上から下へと流れるようにできています。しかし、気が滞り、肝のエネルギーが溜まりすぎて限界を迎えると、下から上へと激しく突き上げる「気逆(きぎゃく)」「肝火上炎(かんかじょうえん)」という状態が起こります。

  • イライラ・不安・めまい: 炎が上に燃え上がるようにエネルギーが頭部に上がると、イライラ、怒りっぽさ、頭の熱感、めまい、頭痛となって現れます。
  • 動悸・息苦しさ・パニック: 突き上げたエネルギーが心臓の拍動に影響を及ぼすと、突然の動悸や息苦しさ、胸のつかえ感(押されるような感じ)、夜間の不安発作、さらには脳まで上がるとパニック状態を引き起こす原因になります。

3. 気滞を改善する日々の「食養生(しょくようじょう)」

エネルギーの交通渋滞を解消するためには、日々の食生活の工夫がとても効果的です。

◎ 積極的に摂りたい食材(気の巡りを良くするもの)

漢方では、「香り」「辛み」のある食材が、滞った気のエネルギーを流し、発散させる働きを持つとされています。

  • セロリ・パセリ・三つ葉・春菊: 特に菊科などの香りの強い野菜は、肝の気を流してイライラを和らげ、邪気を払う力があります。生でも、お鍋に入れても良いので積極的に摂りましょう。
  • みかん・代々(だいだい)の皮(陳皮など): 胃を健やかにし、気を整える「理気作用(りきさよう)」があります。お腹にガスが溜まりやすい時にもおすすめです。
  • ジャスミン茶・バラの花のお茶・緑茶: お茶の持つ良い香りは、気を動かし高いリラックス効果をもたらします。
  • 山査子(さんざし): 胃の中に溜まってしまった食べ物の消化を早く促し、気の巡りを助けます。

✕ 控えたい食材(気の流れを重くするもの)

  • お酒・アルコール: 飲みすぎると肝臓への負担が大きくなり、気の滞りをますます悪化させます。
  • 油っこすぎる食事: 体のエネルギーや気の流れを重く滞らせてしまいます。
  • 冷たい飲食: 胃腸の気を停滞させます。体は冷えに対して強い警戒感を持つため、人工的に冷やすだけで交感神経の過緊張(リラックスできない状態)を招きます。夏でも冷たくないものを意識しましょう。
  • カフェインの摂りすぎ: 交感神経を過度に刺激するため、適量を意識して上手に付き合いましょう。

4. 気を巡らせる代表的な5つのツボ

テレビを見ながらでも手軽にできる、気の流れを良くする代表的なツボを5つご紹介します。指の腹でゆっくり3秒押して、3秒離すのを10回ほど、「痛気持ちいい」強さで試してみてください。

  1. 合谷(ごうこく): 手の甲の、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ。気滞全般、頭痛、イライラ、肩こりなどの緩和に。つまようじを束ねて先で刺激するのもおすすめです。
  2. 神門(しんもん): 手首の横紋の内側、小指側のすじのきわにあるくぼみ。不眠、心神不安、動悸などに特効のツボです。
  3. 太衝(たいしょう): 足の甲で、親指と人差し指の骨の間を足首側へなぞっていき、指が止まる(骨の合わせ目の)場所。肝の気が滞って足元が張る時、不安、月経不順などに効果的です。
  4. 百会(ひゃくえ): 頭の真ん中のてっぺん。左右の耳の最高点を結ぶ線と、顔の正中線が交わる少し凹んでいる場所。上へ突き上げてしまった気を下ろし、頭痛、不安、自律神経の不具合に広く使えます。
  5. 内関(ないかん): 手首の内側の横紋から、指3本分ひじ側に上がったところの2本のすじの間。動悸、吐き気、不眠、不安がひどい時に効果を発揮します。

5. 自律神経を整える生活習慣の見直し

■ 睡眠とスマートフォンの付き合い方

就寝の1時間前にはスマホやパソコンを見るのをやめましょう。 ブルーライトは交感神経を刺激し、睡眠導入を妨げます。ただし、ご自身が本当にリラックスできる美しい映像や音楽を流すのであれば、睡眠を助ける場合もあります。

■ 毎日5分の腹式呼吸と瞑想

朝晩5分ずつ、腹式呼吸を行いましょう。呼吸は、私たちが唯一、自律神経(潜在意識)に直接働きかけられる方法です。これによって副交感神経を優位に導きます。 呼吸に合わせ、ご自身の心の中にある「何もない、空(くう)のスクリーン」をイメージする瞑想もおすすめです。日常の出来事や感情の波にいちいち「良い・悪い(〇・✕)」をつけず、ただスクリーンに映る映画のように客観的に眺めることで、心のイライラや気滞は驚くほど解決に向かいます。

■ 軽い運動(週3回のウォーキング)

週に3回、30分程度の軽いウォーキングをしましょう。体を動かすことは「気を動かす」ことに直結します。 ただし、激しすぎる運動は逆に交感神経を高めてしまうため、「あぁ、気持ちいいな」と思える強度で行うことが大切です。

■ 感情のデトックスと「涙」の秘密

感情は地球の「お天気」と同じで、晴れもあれば嵐もあります。湧き出たネガティブな感情を「いけないもの」とジャッジして押し殺すことこそが気滞の原因です。自分の感情にマルバツをつけず、声に出してみる、ノートに書き出す、誰かにシェアするなどで外に発散させましょう。

また、漢方において「涙」は「肝の液」と呼ばれます。 泣ければ泣けるほど、肝に溜まったマイナスのエネルギーは涙と一緒に外へデトックスされます。意識的に泣ける映画やドラマを見て涙を流すことも、非常に優れた気滞の改善法です。

■ 起床時間の規則性と、温かい飲み物

  • まずは起きる時間を固定する: 睡眠の質を上げる第一歩は、寝る時間よりも「毎朝同じ時間に起きること」です。眠くてもその時間に起きて太陽の光を浴びることで体内時計(陰陽のリズム)が整います。
  • 絶対に温かいものを飲む: 意識して温かい飲み物を選び、胃腸を絶対に冷やさないようにしましょう。胃腸の気が温まると、全身の気の巡りが劇的に良くなります。

まとめ

西洋医学でいう「交感神経の使いすぎによる心身のブレーカー落ち」を、漢方では「肝の気滞(エネルギーの渋滞)」と捉え、アプローチします。

お茶の香りを楽しんだり、ツボを押したり、温かいものを飲んだり、時には涙を流したり。どれか一つでも、できることから日々の生活に取り入れて、未病のうちに体をケアしていきましょう。

【ご質問、ご相談はこちら】

自分の体を守るための第一歩、全力でサポートさせていただきます。皆さまのご相談を心よりお待ちしております。

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