一般的に、年齢を重ねるとともに視力は低下しやすくなり、目の機能にも様々な変化が現れます。
まさに老化を感じやすい眼ですが、年のせいとあきらめるのではなく、加齢によって現れる症状をよく
知って、早めの対策をすることが大事です。
目次
主な年齢による目の変化には下記のような症状があります
- 老眼(Presbyopia)
- 40歳頃から多くの方が自覚し始める、近くのものにピントが合いにくくなる現象です。
- これは、目の水晶体の柔軟性が失われ、ピント調節機能が低下するために起こります。
- 症状としては、近くの文字が見えにくい、細かい作業で目が疲れやすい、明るい場所でないと読みにくいなどが挙げられます。
- 老眼鏡、遠近両用眼鏡、コンタクトレンズ、または手術によって矯正できます。
2.夜間の見えにくさ
- 加齢とともに、暗い場所での視力や明暗への順応力が低下します。
- これは、網膜の桿体細胞の機能低下などが原因と考えられています。
- 夜間の運転や薄暗い場所での移動に注意が必要になります。
3.ドライアイ(Dry Eye):
- 涙の分泌量が減少したり、涙の質が変化したりすることで、目が乾燥しやすくなります。
- 特に更年期以降の女性に多く見られます。
- 目の不快感、異物感、かゆみ、疲れ目の原因となります。
- 点眼薬や生活習慣の改善によって症状を緩和できます。
4.コントラスト感度の低下:
- 色の濃淡や微妙な明るさの違いを識別する能力が低下します。
- 例えば、白い背景に白い文字が見えにくい、といった症状が現れます。
5.まぶしさの感じやすさ:
- 水晶体や角膜の変化により、光が散乱しやすくなり、以前よりもまぶしく感じることがあります。
- 特に夜間の対向車のヘッドライトなどが眩しく感じやすくなります。
6.飛蚊症(Floaters):
- 視野の中に黒い点や糸くずのようなものが現れることがあります。
- これは、眼球内の硝子体の変化によって生じることが多く、生理的な現象であることがほとんどですが、急に数が増えたり、光が見えたりする場合は眼科を受診する必要があります。
7.眼瞼の変化:
- まぶたの皮膚がたるんだり(眼瞼下垂)、まぶたが内側または外側にめくれたりする(眼瞼内反・外反)ことがあります。
年齢と目の健康
年齢を重ねると、以下のような目の病気のリスクが高まります。
- 白内障: 目の水晶体が濁る病気で、加齢とともに発症率が高くなります。視力低下、かすみ、まぶしさなどの症状が現れます。手術による治療が一般的です。
- 緑内障: 視神経が損傷し、視野が徐々に狭くなる病気です。自覚症状がないまま進行することが多いため、注意が必要です。
- 加齢黄斑変性: 網膜の中心部である黄斑が加齢により変化し、視力低下や歪みが生じる病気です。
- 糖尿病網膜症: 糖尿病の合併症として起こり、網膜の血管が損傷されることで視力低下を引き起こす可能性があります。
目の健康を維持するためには、以下のようなことが大切です。
- 定期的な眼科検診: 40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても定期的に眼科検診を受けることが推奨されます。
- 適切な眼鏡やコンタクトレンズの使用: 視力に合ったものを使用し、老眼の症状が出始めたら老眼鏡などを装用しましょう。
- 目を休ませる: 長時間パソコンやスマートフォンなどを使用する際は、適度に休憩を取り、目を休ませることが大切です。
- バランスの取れた食事: 目に必要な栄養素(ルテイン、ゼアキサンチン、ビタミン類など)を積極的に摂取しましょう。
- 紫外線対策: 日差しの強い日は、サングラスや帽子を着用し、紫外線から目を守りましょう。
- 禁煙: 喫煙は、加齢黄斑変性などの目の病気のリスクを高めることが知られています。
年齢による目の変化は誰にでも起こりうるものですが、適切なケアと対策によって、快適な視生活を送ることができます。
ご自身の年齢や目の状態に合わせて、適切なケアを心がけることが大切です。もし、視力の低下や見え方に異常を感じた場合は、早めに眼科を受診しましょう。
漢方では眼は「腎」「肝」の衰えからくると考えられます。
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