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慢性腎臓病(CKD)と診断されると、「野菜や果物はカリウムが多いから食べてはダメ」と思い込んでしまい、日々の食事にとても苦労されている方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、今回一番最初にお伝えしたい最も重要な結論はこれです。
「すべての腎臓病患者様に、一律のカリウム制限が必要なわけではありません」
今回は、知っておくべきカリウムの正しい常識と、野菜や果物と上手に付き合っていくためのコツをお話しします。
なぜ、そこまでカリウムが目の敵にされてしまうのでしょうか? その理由は、体内のカリウム濃度が高くなりすぎると、突然心臓が止まってしまうような恐ろしい不整脈(高カリウム血症)を引き起こす危険性があるからです。
現在、日本には軽度な低下も含めて約1,300万人もの慢性腎臓病の患者様がいます。しかし、そのうちの約7割〜8割は「ステージ3(あるいはステージ4の前半)」までの患者様です。
実は、近年の専門のお医者様たちの間では「ステージ3(特に3A)の段階では、カリウム制限は推奨されない(必要ない)」というのが共通の常識になってきています。初期・中期の段階から過剰に野菜や果物を我慢する必要はないのです。
厳密なカリウムコントロールが必要かどうかは、以下の要素を総合して主治医が判断します。
目安として、血液検査のカリウム数値が「5.5 mEq/L」以上になる、あるいはその可能性が高いと判断された場合に初めて、制限の指導がなされるのが一般的です。まずはご自身の検査データを正しく把握することから始めましょう。
「カリウムが入っているから」という理由だけで植物性の食品をすべて避けるのは、むしろ体にとってマイナスになることが近年の長年の研究で分かってきました。
昔は「植物性タンパク質は吸収効率が悪い割にカリウムが多い」と敬遠されがちでしたが、肉食中心の人とベジタリアン(菜食主義)の人を長期間比較した複数の研究によると、ベジタリアンの方が臨床経過が良く、植物性タンパク質を多く摂っている人の方が死亡率が低いというデータが出ているのです。逆に、赤身の肉を多く食べることは腎臓にとってあまり良くないということも分かっています。
こうした背景から、現在では「一律に野菜を禁止する」という古い食事指導は見直され始めています。
どうしてもカリウムの数値が上がってしまう場合の付き合い方として、2020年に登場した「ロケルマ」という優れたカリウム低下薬があります。 このお薬の登場によって、慢性腎臓病患者様の大半で、野菜や果物の厳しい食事制限が不要になりました。
ややお薬の費用が高いという面はありますが、「食べたいものを過度に我慢して強いストレスを抱えるくらいなら、お薬を上手に使って美味しく野菜や果物を食べる」という選択肢を主治医の先生と相談してみるのも、生活の質(QOL)を保つ一つのコツです。
食事でカリウムや塩分をコントロールすることはもちろん大切ですが、漢方(東洋医学)が慢性腎臓病において最も得意とし、重要視しているアプローチは別にあります。
それは、何度も講座でお伝えしている「腎臓の毛細血管を流れる血液の量を増やすこと」です。
腎臓は毛細血管の塊です。血めぐりを良くし、細い血管のすみずみまで十分な血液が行き渡る環境を作ってあげることで、腎臓本来の力を引き出し、数値の維持や改善を積極的に目指すことができます。西洋医学の「食事を我慢して様子を見る」という一歩進んだ対策として、漢方は非常に強みを発揮できる分野です。
「腎臓病と言われて、何を食べたらいいのか分からなくなってしまった…」 「クレアチニンやeGFRの数値が少しずつ悪くなっていて不安…」
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