永寿屋 「漢方健康講座」

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【漢方と慢性腎臓病その2】食事法を極めるために血液と尿のデータを知ろうNo56

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「【漢方と慢性腎臓病その2】食事法を極めるために血液と尿のデータを知ろうNo56」

腎臓病と診断されると、インターネットなどの情報から「あれもこれも食べてはいけない」と厳しい食事制限を一律にやってしまいがちです。しかし、自分の現在の体の状態を正しく理解していないと、やらなくてもいい過度な制限によって、逆に「栄養失調」を招き、身体機能を衰えさせてしまうケースが多々あります。

一十(一から十まで)全員が同じ食事制限をする必要はありません。データに基づいた、自分にぴったりの正しい食事方針を見つけていきましょう。

目次

腎臓病の2つの基本検査:尿検査と血液検査

腎臓の検査は、大きく分けて「おしっこ(尿)」「血(血液)」の2つから状態を調べます。

1. 手軽だけど未来を映す「尿検査」

針を刺す必要がなく手軽に行える検査ですが、非常に重要なヒントが隠されています。 腎臓の血管の傷みや炎症が起こると、おしっこの中に「タンパク質」が漏れ出たり、ひどくなると「潜血(血尿)」が混じったりします。

2. 腎機能の現在地を知る「血液検査」

最も重要な代表指標が「血清クレアチニン値」です。 クレアチニンは主に筋肉で作られる老廃物で、通常は腎臓でろ過されて尿から排泄されます。腎臓のろ過機能が落ちると、血液中にクレアチニンが溜まって数値が上がります。

このクレアチニン値を基に数式で計算して算出されるのが、腎臓の働きを%(パーセント)のイメージで捉えられる「eGFR(推算尿小体ろ過量)」です。

eGFRと「ステージ分類」を知ろう

eGFRの数値が「60」を下回って(59、58…)くると、腎臓に問題が起こり始めているサインです。

  • eGFR 60の目安: 腎臓の働きが本来の約60%に低下している(4割はお休みしている)状態。

医療現場では、このeGFRの数値(G1〜G5)と、尿タンパクの量(A1〜A3)を掛け合わせた「重症度分類のマス目」を使って評価します。

【重要】インターネット情報の罠に騙されないで!

実は、慢性腎臓病と言われる患者さんのうち、約7割は比較的軽度〜中等度である「ステージG3(黄〜オレンジのエリア)」に属しています。

しかし、ネットや本で紹介されている「厳しい腎臓病食(徹底したタンパク質制限やカリウム制限)」の多くは、最も進行した「ステージG4〜G5(真っ赤なエリア)」の人向けの内容です。

ステージG3の段階にある方が、真っ赤なエリアの人向けの食事制限を真面目に真似してしまうと、食べるものがなくなって筋力が低下し、体に大きな悪影響を及ぼしてしまいます。

尿タンパクは「未来の腎臓」を示す

「eGFRが現在の状況」を示すのに対し、「尿タンパクは未来の状況」を映すと言われています。たとえ現在のeGFRの数値が良くても、尿タンパクが「+2」「+3」と多く出ている場合は、将来的に腎機能がガクンと落ちていくリスクがあります。そのため、現在の位置だけでなく尿タンパクの状態も合わせて確認することが大切です。

各ステージごとの特徴と対策

◆ステージG3(中等度低下:全体の約7割)

まだ自覚症状はほとんどない段階です。

  • 主な対策: 高血圧があれば血圧の調整、高血糖傾向があれば血糖値のコントロール。
  • 生活習慣の見直し: 冷え、甘いものの摂りすぎ、心の過緊張なども腎機能を落とす原因になるため、総合的な生活改善が鍵になります。
  • 高齢者(特に75歳以上)の注意点: ステージG3の高齢者の方は、基本的には積極的な食事制限は必要ないと私は考えています。糖尿病や塩分を気にするあまり、肉や魚、野菜を極端に減らすと身体機能が衰えてしまいます。しっかり食べて適度に運動することを意識しましょう。

◆ステージG4(高度低下:eGFR 15〜29)

むくみが出たり、血中カリウムが高くなる「高カリウム血症」や、血液を作るホルモンが減って起こる「腎性貧血」などの合併症が出やすくなります。

  • 主な対策: 血圧・血糖の調整に加え、症状に合わせた個別の食事療法(タンパク質やカリウムの制限)が必要になる場合があります。お薬(カリウム吸着薬など)を併用しながら上手にコントロールしていきます。

◆ステージG5(末期腎不全:eGFR 15未満)

腎臓が10〜20%程度しか動いていない状態です。

  • 主な対策: 人工透析をどれだけ遅らせることができるか、また透析(血液透析・腹膜透析)や腎移植といった今後の選択肢について、主治医としっかりコミュニケーションを取っていく段階になります。

人工透析の原因はすべて「血管のトラブル」

人工透析になってしまう3大原因は、以下の通りです。

  1. 糖尿病性腎症(高血糖により血管が糖化し、もろくなる)
  2. 慢性子宮体腎炎(免疫が絡むことで血管に炎症が起こる)
  3. 腎硬化症(高血圧が原因で血管が動脈硬化を起こす)

これらは原因こそ違えど、本質はすべて「血管の病気(トラブル)」です。

腎臓は毛細血管の塊のような臓器ですから、人工透析を免れたければ、「毛細血管を流れる血液の量を増やし、血流を良くすること」。これに尽きます。そのためにできるアプローチ(食事、生活習慣、そして漢方)を総動員して、血管を正常に保つ勝負をしていきましょう。

慢性腎臓病(CKD)は、血流を整え体質を根本から改善していく漢方の知恵が12分に活きる分野です。

自分のデータがどの位置にあるのか分からない、これからの食事や生活に不安があるという方は、ぜひ検査結果をお手元にお気軽に永寿屋へご相談ください。

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